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酒とデジタルアートの世界の入口 Welcome to the world of liquor and digital art

致死的退屈症 ★モモとアル中編★/EP.0337/2022.05.08

「言い得て妙とはこの事だ」

毎日毎日酒を呑んでどんなに派手に
しでかした夜でも朝でも昼でも、
九死に一生を拾った日でも
必ずされる簡単な質問。

「何故そんなに呑むんですか?」

毎度毎度問いただされても
ただ首を振って、
「わからない」としか答えられない。

何故なら、我々アル中はそれを説明する、
その言語をもっていないのだ。

泥酔しなければならない感情を
なんと表現していいかわからないのだ。

そんなこんなで
酒を呑まない今になって、
深淵にどっぷりと浸かったアル中達の
または自分をアル中と
絶対に認めない準アル中達の
抱える心の闇や連続飲酒中の感情を
上手いこと言語化出来ないかなぁ
と何となく思っていた。

その答えは、
あの有名なモモという本にあった。

その名も「致死的退屈症」という。

↓以下引用↓

「はじめのうちは
気のつかないていどだが、
ある日きゅうに、
なにもする気がしなくなってしまう。

なにについても関心がなくなり、
なにをしてもおもしろくない。
この無気力はそのうちに消えるどころか、
すこしずつはげしくなってゆく。
日ごとに、週をかさねるごとに、
ひどくなる。

気分はますますゆううつになり、
心のなかはますますからっぽになり、
じぶんにたいしても、
世のなかにたいしても、
不満がつのってくる。

そのうちにこういう感情さえなくなって、
およそなにも感じなくなってしまう。

なにもかも灰色で、どうでもよくなり、
世のなかはすっかりとおのいてしまって、
じぶんとはなんのかかわりもないと
思えてくる。

怒ることもなければ、感激することもなく、
よろこぶことも悲しむこともできなくなり、
笑うことも泣くこともわすれてしまう。

そうなると心のなかはひえきって、
もう人も物もいっさい
愛することができない。
 
ここまでくると、
もう病気はなおる見こみがない。
あとにもどることはできないのだよ。
この病気の名前はね、
致死的退屈症というのだ。」

↑『モモ』(岩波少年文庫)↑

いや、まいったね。
俺が周りのシラフの連中に
説明してやりたかったのは
こういうことだ。

連続飲酒時代に
この言い回しを知っていたら、
正々堂々胸を張って、
「だから、俺は呑むしかないんだ!」と。
高々と宣言できたのに、
人目を気にせずに
心から酒を楽しめたのに。

当てはまるアル中諸君も多い気がする。

▼過去問▼
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